瓦屋根から金属屋根へ


当社では年間、大小合せ500件以上の工事を施工させて頂いております。

そんな中から、今回は瓦屋根から金属屋根への 施工事例をご紹介いたします。


屋根

【施工前】

長年、屋根の重さが気になっていたそうで、

雨漏りや特にひどい老朽化があったわけではありませんが、やはり地震は気になるとのこと。

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【施工後】

瓦を降ろし、サビに強いガルバリウム鋼鈑製の「エバールーフ」という金属屋根を新しく葺きました。

(エバールーフについては後で詳しくご紹介しますね)

写真ではわかりづらいのですが、屋根の重さは1/10以下、とても軽い屋根になりました。

軽い屋根は、地震の時揺れが小さくて済みます。



それでは工事の詳細です。 順を追って説明しますね。



①瓦・土降ろし

現在葺かれている瓦と、瓦の下の「土」を降ろします。家や下地を傷つけないよう一枚一枚手降ろしです。


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途中で雨が降ってきたら大変なので、瓦降ろしの時は職人さん総出です。手間のかかる作業です。


さらに、もしも「土」の下の野地板が傷んでいた場合を考え、

すぐ直せるように、大工さんにも手伝ってもらっています。 

余談ですが、現在では瓦を葺く場合でも「土」は使いません。

昔は瓦のサイズや形等にばらつきがあったため「土」は瓦のガタつきを防いだり、瓦の隙間から雨水が侵入した時、

雨水を吸収し、天気の良い日に蒸発させたりする役目があったそうです。

また断熱にも一役かっていたので「土」は欠かせない存在だったとのこと。


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②下地つくり


 瓦と土の撤去を終えたら下地を作ります。

傷んだ部分を補修して、新たに合板を貼ります←(手前1階屋根部分)

その合板の上に「ルーフィング」という防水シートを貼ります。←(2階屋根緑色部分)

ルーフィングは、万一雨水が侵入しても、このルーフィングで家の中に入れないようしっかり守る役目です。


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③新しい屋根材を施工

 
下地ができたら、さあ本番!新しい屋根の施工です。

同時に、せっかく足場を組んだので、雨どいも新しく交換しました。

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足場を外して完成です。瓦とよく似た色のエバールーフで葺いたので、とてもよく馴染んでいます。


とても軽い屋根(1/10)になって、安心ですね。



 エバールーフの特徴

 「エバールーフ」は、サビに強いガルバリウム鋼鈑製の屋根材です。

横葺きの水平ラインがスッキリした美しい屋根に仕上げてくれます。

洋風・和風どちらの住宅にも良く似合います。

最大の特徴は屋根の端から端まで、継ぎ目なく一枚の屋根材で葺くことができることです。

継ぎ目が無いので雨漏りのリスクがとても少ないです。

 (とは言うものの、大きな屋根の場合は継ぎ目を入れます。

エバールーフは、ガルバリウム鋼鈑の平板を成型機に通して成型するので、

論理上は何メーターでも制作可能なのですが、金属板の温度差による伸縮や

あまりに長いと運搬できないので、通常は最も長くて7~8m位で施工します。

今回は、継ぎ目なしで施工しました。)

 
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また継ぎ目が無いことに加え、屋根材どうしが、ぴったりと合うようにはめ合わせる篏合(かんごう)構造なので防水性能はバッチリです。

さらに、1平方メートル当り約11本ものビスで固定するので強風にも強くて安心です。

しつこいですが、屋根の重さが瓦の1/10と、とても軽いので建物に負担がかからず、

地震の時は揺れが小さくてすみます。

そして、ガルバリウム鋼鈑を成型機に通して加工するだけ…というとてもシンプルな製作方法なので低価格です。

費用対効果抜群!というわけです。

色も豊富で、横葺きシリーズの最高ヒット商品と言われるゆえんもうなづけます。

けれど、短所もないわけではありません。

金属屋根の宿命ですが、雨音がうるさいことや、断熱性です。

特に下屋根の場合は窓が近くにあったりするので注意が必要です。

「雨が降ってきたのがすぐわかって便利」と仰る方もみえますが、やはり音に敏感な方は気になるかもしれません。

解決策としては、防音材や断熱材などの併用や、内窓の取付けなどが効果的です。

また、屋根材自体に断熱・遮音対策として裏打ち材が施されたものや、

他にも色々ありますので、また次回ご紹介いたします。